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月刊オススメの本2019年3月号まとめ

鹿の王
 上橋菜穂子先生は獣の奏者という作品を書いていて、あれがSFでは?と思って、僕の中の面倒なFTオタクとしてなんか思うところがあったんですが、この鹿の王は直球でSFをやっていますね。異世界伝染病SF。大好き。上橋菜穂子先生の筆致は生き生きとした異世界生活描写が大変いいですね。楽しいです。

ブラッドジャケット
 体調が悪かったので再読。染み入る。寝たきりの母親と自分の生活のために死体処理の仕事をしているアーヴィング・ナイトウォーカーという少年。吸血鬼ロング・ファング。ロング・ファングを追う吸血鬼ハンターヘルシング。その信仰心から神の奇跡を起こす殺戮神父。
 オカルトパンクなので、死体は手違いでゾンビ化するし、偶然銃を手に入れたアーヴィングはゾンビと戦うし、死体処理で自分が再殺した相手を誤魔化したり。日常が崩壊して、出会った少女とフック兄弟として強盗を繰り返して刹那的な青春を送ったりと暴力が多くていい。
 魅力を説明しづらいのだが、オカルトパンクな世界観でタンクの水を丸ごと聖別して聖水にして吸血鬼にぶっかけたり、モブがバンバン死んでいったりと楽しい作品です。個人的にはフック兄弟だな。未来のことを考えず、刹那的な行動。犯罪に走るやけっぱちな少年と少女の一幕。大変いいですよね。

ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 6
 前回が大決戦という形だったので、今回はそんなに大事件は起きないだろうなーと思ったら、まさかのファミリア間抗争が始まった。しかも、一冊でベル君の家が焼かれて他のファミリアに襲われて逃げる逃走戦だけでなく、攻城戦までやっている。すごいなー、これ二冊どころか三冊もかけてやれそうな話なのに一気に終わらせたぞ。
 おお、あの人が仲間になるのかなと思ったら意外と違ったり、ほぼ関わりなかったじゃんあの人という人が仲間になったりと意外な展開でした。しかし、ベル君半端ないな。
 バトルシーンは盛り上がり、一冊で綺麗にまとまっていて、イベントもモリモリで盛っている。GAの代表作みたいな作品だけあってさすがですね。大変面白かったです。

ダ辺境の老騎士
 フォロワーに熱心なファンがいておすすめされていたので、Web版をある程度は読んでいたのですが、4月に新刊が出るということで、書籍版を読む。いや、実に楽しい本ですね。高名な騎士であった老騎士バルド・ローエンが立場を捨てて、身軽な身になって旅をする。陰謀に巻き込まれてそれを武芸の腕で乗り越えたりしがら、ご当地グルメを堪能していく。バルトの感想が美味しそうなので、グルメ小説としても楽しいし、冒険小説としても楽しい。4巻出たよ。

利他的なマリー
 もうすでに書いたんですが、個人に金額をつける行為は間違いなく楽しい。仮想通貨物を書くにあたって作者が仮想通貨を溶かして、コインチェック事件とかも経験していると知って再読するともっと楽しい。邪悪なラノベ作家といえば、ぼくにとっては御影瑛路先生なので本作でラノベ業界から離れるのは悲しいですね。良い本なのでみんなに読んでほしいですね。


Unnamed Memory I 青き月の魔女と呪われし王
 DENGEKIという電撃の単行本レーベルです。単行本だから挿絵とかないのかなあと思いましたが、普通にありますね。古宮先生のWeb小説でこのWebがすごい10位以内に入賞(何位だったかは忘れた)作品。Babelもそうでしたが、本にするために結構改変しているようですね。、れは本から入っているのでわかりませんが。子供ができない呪いをかけられた王子がそれを解くために願いを叶えてくれる魔女の塔に登って、その魔女を口説きながら一緒に国でイチャイチャしながら問題を解決していく話です。読んでいて、なぜこれは少女小説レーベルから出てないんだろうと思いましたが、新レーベルらしい方向性が見えないDENGEKI。
 呪いが解けないんだから、子供を無事に産める女性である魔女に子供を産んでもらえばいいと口実を使ってガンガン口説いていく王子のオスカーと嫌だよ!と言いながらボディタッチされても抵抗しない魔女のティナーシャ。大変いいですね。魔法を無効化する絶対魔法抵抗の剣アカーシアの使い手であるオスカーにもしも、自分が暴走した時のために殺せるようにオスカーを鍛えたりするところがいいですね……。

天駆せよ法勝寺
 試し読みで冒頭を読んでほしい。圧倒的な書き出しに君はそのまま購入するに違いない。めちゃめちゃ面白い。相変わらず、東京創元社のSFの賞はものすごいレベルが高いのでびっくりするぜ。SFと仏教。食い合わせが予想外に良かった。
 

私が大好きな小説家を殺すまで
 この本を読み始めた時は体調が悪かったんですが、読んでいたらめきめき体調がよくなっていきました。面白かった。人間を神様として崇められて信仰されてしまった物の末路。自分が持っている唯一の武器を失った人間の末路。
 いや、楽しかった。自殺しようと思っていた幼女が小説家に救われ依存して、小説家も少女に依存してこれが共依存ってやつかと思いました。小説家を助けるためにしたことが破滅を生んで、搾取されているのに、依存しているから抜け出せない。互いに互いを苦しめているけど、お互いがなくては生きられない。最高でした。

アラビアの夜の種族
 めっちゃ面白い。もう語り口が最高にいい。アラビア夜の種族は傑作だよと言われていて7年位前に買っていたんですが、ようやく着手しました。いや、楽しい読書でした。これは著者の他の本も読まないとなあ。楽しかったので終わるのが惜しい作品でした。もっと読んでいたかった。
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月刊オススメの本2018年1月号まとめ

ともだち同盟
 森田季節先生! BGMは熱い夏の日の蝉の声か雨音な感じの小説です。全体的に暗いというか、湿度が高い本です。濡れ場があるという意味ではなく。いや、とても良い。気分を落としたいときに読むといい感じにトリップできる。

僕と君の大切な話(1)-(2)
 なんか割とTwitterで使えそうなコマばかりで東くんがインターネットの女はどうという方向性で拗らせているダメな奴っぽいので、Twitterで使えそうなコマが多い。
 ストーカー気質というかぷちストーカーの相沢さん(美少女)と何かを拗らせている東くんがぐだぐだと話しています。これ、ほんとに少女漫画か? と思うような内容なんですが、面白いわ……。

賭博師は祈らない
 お、面白い。厭世的な賭博師ラザルスがある日、まさかの大勝ちをしてしまって、やっべぇこのままだと賭場の人間に殺されると高額なお買い物をしたらそれは喉を焼かれた褐色美少女のリーラちゃん。金を消費するためだったので、興味もないけど、放置して死なれるのもなーということで、世話をして共同生活……! と書くと面白く無さそうなんですが、主人公の厭世的な強さと媚日の少ないキャラクター造形とかでいいですね。第23回電撃小説大賞は良いものが揃っている。

もののがたり 7
 最近のもののがたりはというか、まあ、ぼくが読み始めてからなんだけど、ラストの引きが強いなあ。バトルが面白いし、登場人物がまっとうにかっこよくて面白い。敵も味方も全力を尽くして、その上で戦力が足りていない。つよい。
 守る覚悟。守られる覚悟。いやあ、面白い。

違国日記 1
 nemanocさんの漫画まとめを読んで、試し読みを読んだら最高だった……いや、みんな試し読みだけでも読んで欲しい。両親が死んだ中学生の女の子が売れっ子作家の叔母と同棲を始める……んだけど、はっきり言って、このあらすじでおれの心には響かないんですが、試し読みを読んだら速攻で買う本として読みました。一文、一文、つまり一コマ一コマの心に響く威力が強い。

木根さんの1人でキネマ 1-4巻
 1話あたりの語られる映画量が多く映画トークではなく、映画オタクトークなので、映画は意外と覚えられないんですが、オタクのあるあるー!って部分がくっきり書いてあって楽し<い。自分のことを棚に上げてげらげらわらう。

我らコンタクティ
 適度にゆるくて、重い。すげえ良い作品。働いていて嫌なことがあり、会社辞めてーと思っていたカナエちゃんが近くの町工場で働いていて、ロケットを作っている小学校の同級生のかずきと出会って、ロケットを作り、飛ばすロケット物なんですが、働いている社会人の疲れというのを描いていて誰もが疲れて、すーっとするために悪いことしたり、でも、ゆるくちょっとしたことが救いになったり、雰囲気が重すぎず、ゆるく、ゆるクズく。この漫画もそういう疲れているときのちょっとした楽しみ(=救い)になりそうな感じで、いいですね。
 いやまあ、ロケット作りも楽しいし、うーん、作者の作品を全部買おうかなと思うくらいには良かった。

水上悟志短編集「放浪世界」
 「心も無いくせに同情のふりなどおぞましい
 お前に何がわかる
 機械め」
 「いいえ…
 心はあなたにあるんです…」

 くわああああああああああ最高じゃん。そうだよ。機械には心がない。でも、それを使う人には心がある。だから、心があるものの心を守るために"振る舞う"んですよ。最高。

鬼滅の刃 8
 煉獄さーーーーーーーーん!! いやあ、最高だった……煉獄さんかっこよすぎるし、まさかこんなに早く退場してしまうとは。いや、もう6月の時点でアニメ化も決定して11巻まで出てますが。最高だった。いや、こんなにも短い登場でこれだけの漢を見せつけるのは、素晴らしい。いい。

月刊オススメの本2017年12月号まとめ

剣の誓い―グイン・サーガ(36)
 宮廷生活に嫌気がさして逃げ出そうと思っていたイシュトヴァーンだが、かつて父のように慕っていた世界で最も気の許せる人物カメロンの登場によって断念した。運命は彼を逃さない。内容としてはイシュトヴァーンが心折れそうになっているのと正直に気の許しているのを見て、邪悪なヤンデレアリストートスが恨み言をカメロンにぶっちゃけて、モンゴールの問題点の多さとかをカメロンが気づいて、イシュトヴァーンがいなければ別に滅んだっていいけど、これは不味い……と焦燥感を抱いて最終的にタイトル通りになるわけですが、いやーようやくイシュトヴァーンにまっとうな部下ができましたね。感慨深いです。

86―エイティシックス―Ep.3 ―ラン・スルー・ザ・バトルフロント― 上・下
 作者がどう考えてもマブラヴオルタネイティブが好きだよねという一巻でふーんって感じだったけど、バトルシーンましましで描写がよくなっていますね。レーザーヤークトがあったりするあたり内田弘樹先生とか好きそうですね。前半は平和に適応できない元兵隊達って感じでそのあたりをフォローするほど社会福祉が充実していないのを感じますね。こいつらみたいに平和に適応できない問題は現実にもよくあるよねー。なんか、誇りとかどうとか書いてますけど、兵士として生きるのはもう染み付いているし、新しいことを始めるのは苦難だもんなー。
 後半からはバトルメインで楽しんでいました。やはり、遠隔地からだとよくわからんので、兵士視点のが読みやすいね。あとまあ、今回はこれシュヴァルツェスマーケンのレーザーヤークトみたいなことをやり始めてこれがオマージュってやつなのかなと思いました。

アイドルマスター ミリオンライブ! Blooming Clover 1-2
 この月刊記事を全部読んでいる人がいたら、おめーミリオンの漫画は全部オススメしてるじゃねーかと思われるかもしれませんが、いや、ほんと純粋に出来がいいんですよ。ぼくは面白くないコンテンツに継続してお金を払って読んだりしません。さて、内容は矢吹可奈と北沢志保という映画でもあった鉄板の組み合わせです。夢に向かって全力疾走して無理をしてしまう志保となまけ心のある可奈の組み合わせは、上手くいけばバランスがよくとれるんじゃないですかね。
 アイマスの世界はそれぞれ全員がトップアイドルを目指す全員がライバルの世界です。新ユニットが発表されても、選考から漏れるアイドルはいくらでもいます。彼女達は何も思わないわけじゃない。そういう部分も理解し、フォローするのを見れたのが本作でいいなと思ったところです。

ダンジョン飯 コミック 1-5巻
 モンスター食というネタに満ちたテーマに見せかけてかなりのガチファンタジーであった。衣食住の食に目を向けて、ダンジョンに長期間潜るには食事でエネルギー補給をしないと難しいということがしっかり描かれています。直接的に描かれているわけではないんですが、まず空腹で気が散ってドラゴンに敗北しているところからして、食の重要性の描写だし、ドラゴンのような強力なモンスターと戦わなければいけないのに、保存の利く食料だけではパワーがでないよね。ダンジョンで現地調達できれば、言うことはない。
 モンスターの生態というのも同時に語られるので、それを楽しめる。良い作品だ。

保健室の影山くん 1
 ラストゲームの天乃忍先生の新作! 小学生みたいな背とか体型の女の子が吸血鬼系男子に食料として狙われる! 合意のない吸血は犯罪なのだが、特に紳士的ではない。なんかこう、変な人に絡まれている状態なのだが、ヒロインがおひとよしで適度にちょろい! のでなんというか、かわいらしいコンビだ……。パワフルなヒロイン!

Just Because!
距離感が良い。表紙めっちゃ分かってる!!!! そう、このひと席分の距離感!!!! 主人公の好きだけど、踏み込めない!!! 距離!!!! 甘酸っぱい! 詳しい感想はこちら

レンタルマギカ 最後の魔法使いたち
 いえーい。今気づいたんですけど、FGOのアレって惑星魔術だし、ゲーティアは意思を持った魔法だし、レンタルマギカを読むとすむーずにFGOが学べる。それはともかく、軽く読めて異能バトルが熱くてなかなか良いシリーズでした。

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月刊オススメの本2017年11月号まとめ

風の万里 黎明の空 ―十二国記
 なんかどれを読んでも傑作が出てくるぞ!? すげー面白い。もう読み始めると止まらなくなってしまうので、徹夜覚悟しないと読めない本。心の持ちようで世界は変わるみたいな当たり前のことを言うのは簡単実践するのは難しいことについて、語っている本でもあるのだが、三人の主人公でいろんな立場から語っているが、まあ、それは良い。慶国の問題としては王が他世界の人間であるので、いきなり王になっても何をすればいいのかさっぱり分からない。世界の常識を共有していない。何代も女王が続き、悪政が続いていたので、またダメな女王みたいな扱いをされる陽子だったが、このまま政治がわからん臣下も信用できんという状況が長く続けば自分はダメになると行動を移せるのが王としては未熟でも人間的な成長を感じる。

公爵令嬢の嗜み 1-2
 赤子から1から生まれなおしてその世界での生き方を学んでいくという人生リセット物ばかり読んでいたので、大きくなってから自身は転生者であることを思い出す! という昔ながらの転生物あるあるが逆に新鮮に感じられた。昔の王道は異世界から現代へ転生していた気がするけど、最近のトレンドは逝ってくる異世界。
 転生前にも生きてきた人物と転生後記憶のない状態で生きてきた人物がハイブリットされているという主人公はちょっとよくわからないように思えましたが、FGOでイシュタルとか孔明を持っているお陰で「英霊憑依だ」と納得しました。基本的に会計事務所としての前世能力と異世界で貴族として生きて培ってきた貴族パワーで無双しているわけですが、バランスがとれていて良いですね。女性向けだからかヒーローの活躍する余地を残してあるというか、領主代行なので、ポジション的に無双しすぎないのが楽しい。
 なんていうか、基本努力で獲得したものを活かしているので、それぐらいの天佑があってもいいよなと思える。

たったひとつの冴えたやりかた
 たったひとつの冴えたやりかたってファーストコンタクト物だったのか。新しい知性体との遭遇してからすごいぐいぐいと引き込まれていった。かっこいいタイトルに相応しいスマートな会話文。面白い。
 3つある話のうち最後のファーストコンタクト物(異星人は一つではない)もべらぼうに面白い。人類は宇宙へ勢力圏を拡大し、宇宙は広大である。人類は宇宙に拡散している同胞の悪を制御できない。宇宙海賊などと先に出会ってしまった異星人と秩序側の人類が関係を修復して、協力関係を築く物語である。なんかこう物語もべらぼうに面白いのだが、悪と善の対比が面白いなあと思った。宇宙海賊といった悪の勢力は、異星人と会っても、そもそも意思疎通する気がなくその準備はしていない。そのため、後から善の宇宙飛行士が異星人と出会っても、互いに意思疎通ができない。しかし、善の側は異星人と出会ったときのため、こちらの意図を伝えられるように準備をしているので関係修復のため対話ができるようになった。センス・オブ・ワンダーに溢れているいい小説だった。

われはロボット 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集
 なにかこう、さすがに最近は見なくなったんだけど、AIの話をする際にロボット三原則が実際は問題があるとか言う話をAIブームのときに目にしてたんですが、ぶっちゃけ原作からして問題発生してるじゃねーか。なぜメディアは真面目な顔をしてロボット三原則は実際には使えない? みたいなこと言ってたんだ。原作読んでないのか(お前だってこれが初読だろ)。
 ロボット三原則を搭載したロボや搭載していないロボがなぜ問題を発生させてしまったのかを突き詰めている。面白い。

裸足で、空を掴むように 梅田阿比短編集
 物語にテーマはもしかしたら必要かもしれないが、別に作者はテーマを語りたくて描いているわけではないかもしれないと作者のコメントを読んで思いました。ただ、単に女装するショタを描きたいだけでもいい(銀の誓約)。結果的に良い話風になったりすれば。まあ、童話的なすごく良い話も収録されてるんですけど、なんかすごいな。冷静に考えてみて銀の誓約の女中の行動って全然素晴らしいものではないのに、なんか納得しかけてしまったぞ。

カードキャプターさくら 全12巻
 実はカードキャプターさくらについては放映当時見ておらず、大学生ぐらいになって大量のロリコンを生み出した脅威のアニメぐらいにしか思っていなかったんですが、友人がファンで熱烈にオススメされたこともあり、少しずつ読んでいました。
 心情の描写を絵や台詞で綺麗にきめやかに描いていて、いいですね。作中世界でもあんまり認められていない恋愛も多いのですが、物語の雰囲気は全体的に希望や未来に向かって開かれています。これはさくらちゃんの「絶対だいじょうぶだよ」の台詞を筆頭に明るい発言が多いというのもあるのですが、さくらちゃんがそもそも世間の目とか気にしないでいられる。つまり、自分の感情に外的要因を持ち込まない人間であり、まあ、ぶっちゃけ子供だからなんだけど、人類が本来持つ輝きなんじゃないでしょうか。ぼくたちはさくらちゃんみたいな原石を持っていたはずなんだよ!
 われわれは、どうして汚れてしまったのか。

黒い睡蓮
 黒いなんとかというタイトルでミステリと聞くとクトゥルフを思い出してしまいますが、全然関係ありません。なんか終盤になって一気に面白くなるタイプのミステリだよということで、読みやすいながらも、あんまり乗り気ではなかったのですが、最後まで読んで一気に評価が変わりました。ワザマエ、これは巧みの業です。いやあ、これは翻訳者も苦労しただろうなあと思います。かなりの力作にして傑作。

血界戦線 グッド・アズ・グッド・マン
 秋田禎信と血界戦線のコラボレーションが非常に素晴らしいものであることは前巻で証明されておりましたが、今巻は血界戦線でのマッドサイエンティストで趣味で世界を破滅させようとするよく分からない奴である堕落王フェムトです。秋田禎信先生は昔からいるせいかラノベ界でも、ギャルゲー文脈とは異なる感じで独特な変なキャラを作る人でして、なんか呼吸が変というか、わりと脈絡がない感じで変です。
 グッド・アズ・グッド・マンでは、フェムトが普通になろうと言い出して、量産型フェムトマンみたいなのがたくさん出てくる話です。我々はフェムトについてあんまりよく知っているわけではないので、普通になりたいとか言い出すかというと、わからないのですが、割と思いつきで行動しているぽいことは事実なのでなんか言って行動してもおかしくないよなあという感じです。
 個人的に良いよなあと思うのはレオが普通であることは原作でもアニメでも何度も言われていることですが、普通ってことは普通に大事なところでも失敗する。ミスるし、誤魔化すところがいいですね。

ワキヤくんの主役理論
 お隣さんとの壁が物理的にぶっ壊れて同棲状態になった! 女の子との同棲生活! しかし、そこから時間をすっ飛ばして、完全に愛し合ってる感じ。まるで長年連れ添った夫婦感ある生活をしているワキヤくんですが、もうお前ら結婚しちゃえよ! という感じで作者からこのカップリングに萌えろ! という強い意思を感じます。しかし、サブヒロインのさなかちゃんのちょっとした仕草が可愛いです。彼女の行動はすべて、気になっている男子とお近づきになりたいという感じで、共通の友人に手伝ってもらったぽく二人きりになったり、バイト先に行ってみたりと、行動はそれなりにダイナミックですが、実際にワキヤくんと出会ってみるとぐいぐいとはいけない感じで、滲み出るあなたが気になってますアピールが可愛いですね。どうみてもサブヒロインなのがつらい。

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月刊オススメの本2017年10月号まとめ

約束の方舟
 なんか瀬尾つかさは非常によく出来たSFなボーイ・ミーツ・ガールの名手であるというのが本書や年間日本SF傑作選の中編などを読んでいて思うんですが、もっと早川でしっかりじっくり書いてくれると嬉しいなあと思います。
 上下巻でまとまっており、入り込むまでに時間がかかったが、入り込んだら一気に読んでしまった。もっとSFボーイ・ミーツ・ガールが読みたい。社会とかの軋轢に揉まれたながら頑張って欲しい。

閉店時間
 愛に苦しむ不倫カップルを繊細に丹念に描写してきたかと思ったらこの。この。まあ、胸くそ悪い小説を書いてるので、人を選ぶでしょうけど、この素晴らしい小説を読んで欲しい。読んでいるとええええええマジでとか言いたくなってくるぜ!

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