冲方丁 『マルドゥック・フラグメンツ』 読了

 マルドゥック・シリーズの今まで発表されていた短編に加え、アノニマスの書き下ろし短編、スクランブルの初期原稿を収録したファン待望の短篇集。完全にマルドゥック・シリーズをき読者向けなので、未読者は注意。

 となんだか裏に書いてあるようなことを書きましたが、待っていたのは事実です。ゼロ年代SF傑作選などで読んでいた短編も多かったですが、改めて読んでもやっぱり面白い。以下、それぞれの感想。

マルドゥック・スクランブル“104”
 ウフコックとボイルドが組んでいた時代に担当した事件を描く短編。ブラックユーモアに満ち溢れていて笑えて仕方がない。ヴェロシティ以前に描かれたせいか、少々違和感を感じてしまったが、マルドゥック・スクランブルを知らなくても皮肉な笑いを得られる素晴らしい短編。
 

Preface of マルドゥック・スクランブル
 マルドゥック・スクランブル本編直前をウフコック視点で描いた短編。本編開始前のバロットを、ウフコックの鼻はどう理解していたのか分かる。しかし、ウフコックの潜入捜査を読んでいるとアノニマスへの期待が非常に高まる。

マルドゥック・アノニマス “ウォーバード”
 アノニマスの一端を垣間見ることができる短編。アノニマスで出てくる仲間たち、敵の一端が出てくる。読んでいてアノニマスはこういう書き方もするんだろうなーと読みながら余計なことを思っていた。ちょっと今回は仲間たちもみんな常人じゃないですね。姿格好的な意味で。

Preface of マルドゥック・アノニマス
 3部の序章とも言うべき短編。ウフコックによるレポート+α。アノニマスに描かれるであろう出来事が語れるため、アノニマスへの期待値が非常に高まるのだが、同時にとても悲しく気持ちになる。詳しくは語れない。ぜひ、読んで欲しい。

古典化を阻止するための試み
 SFマガジンに収録された冲方丁へのインタビュウ。読んでいると完全版を読みたくなってくる。創作姿勢やメディアミックスに対する考え方など、著者について知りたい人は読むと楽しい記事。著者の創作姿勢などは凄いと思うんだが、体を壊しそうで怖いな……。

事件屋稼業
 スクランブルの初期原稿。冒頭のみ。完全改稿のおかげで、ただでさえバリエーションの多いスクランブルだが、これが収録されたことによって冒頭部分だけだが世に出たスクランブルのバリエーションがまた増えたことになる。読み比べなくても分かるくらいの差異があって、感慨深い。
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