野崎まど 『know』 読了

 読んでいて頭に浮かんだのはテッド・チャンの短編『理解』だった。あれは超人的で読者にも理解不能なまでの理解力を得た人間同士の対決がその超人の視点によって描かれた作品なので、本作とはまったくの別物なのだが。

 今年は野崎まどの本をすべて読んだが、やはりこの人は超人を書くのが抜群に上手い。読むまではミステリ作家なイメージがあったけど、読み終わってみるとこの人がSFを書くのは必然だったように感じる。この本には二人の天才が登場する。一人は世界を革新させ、すべてのシナリオを書いた天才<道終・常イチ>、もう一人は道終・常イチの娘であり、すべてを知る少女<道終・知ル>。前者はわかりやすい天才だ。常人とは想像力が違う。主人公に道を示して、その14年後のことまで予想をつけてすべてを準備した。情報材による現実のほぼすべてを情報化しネットワーク化して、それを使用するために人間の脳に取り付ける電子葉を開発した。後者の少女もわかりやすい。目指すべき到達点がわからないが、常人には出来ないことを平然とやってのける。量子葉の処理能力によって相手のほぼすべてを知ることで、相手の次の行動までも予測してしまう技術が生み出した人工の天才。彼らが最終的に何を求めて何を知るのか、この作品の最後で明かされる驚愕のラストのインパクトはすごい。確かに「2」であのラストのあとに求めるものはこれしかない。いや、読んでいる最中はまったく予想がつかなかったけど。

 読みやすいSFなのでおすすめ。もう僕はどこまでも野崎まどについていく。
スポンサーサイト

テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Author:Galle(がれ)
↓長いので記事にしました。
当サイトの基本情報
本好きへの100の質問
リンク集

本棚
カテゴリー
検索
批評サイト
お薦めサイト
物書きな方々
ラノベ感想
応援しています!
カウンター
応援バナー