月刊オススメの本2017年5・6月号まとめ

死神の館 (The Discworld novel (1))
 父親達からあまりの不器用さに農業は無理だと判断されたモルトは奉公に出される。しかし、誰も欲しがらずに諦めそうになったところを死神がやってきて死神の弟子として第二の人生を送るのだが、初仕事で本来死ぬべきだった王女を助けてしまう。死ぬべき運命の人間が死ななかったことでやはり問題があるらしく……。
 ディスクワールドはめちゃくちゃ面白いという話を聞いていたが、期待に応える面白さ。死神のユーモア溢れるキャラクターが良い。
 起きてることはとんでもないのに、過度に悲惨ではなく楽観的でもなく、こういうノリの本があるのは大変良い。
 ディスクワールドは例によって未訳がとても多いんですが、これ一冊で完結しています(そもそもこれは4冊目)ので安心して読んでください。買うのは難しいけど、きっと図書館とかにありますよ。

Fate/Grand Order カルデアエース
 あまりにもあっさりとバラされるエジソンライオンヘッド事件の真相とか、「なるほど、それでいつまで経っても新作がでねーのか」とか納得してしまう型月作品の製作中クリエイタースパイラルとか、一人ファンが混じってるノッブのコメントとか見所満載のインタビュー。ドラマCDで実は吸血鬼と戦っていた過去がある岩窟王とか、月姫から出張してやってくる某キャラとかには思わず「おめー会っても会わなくても悪堕ちするのかよもう存在自体がアウトじゃねーか」とかファン必見。
 腐った人にも乙女な人にも美少女好きにも、FGOファンならオススメできる一枚絵の数々とか、やべぇですよこれは。

グランクレスト戦記 システィナの解放者
 このシリーズを読んでいる感想は俺たちの水野良が帰ってきたー!です。いや、群像劇ですと言うだけあって、脇を固めるキャラクター達も魅力で、たとえ本編に直接的には関わらなくても、世界観を広げて読者の視野が広がっていくのでいいですね。
 ただの傲慢な独裁者だと思われていたシスティナ領主も、圧制なしでは立ち行かない状況に陥っている。親世代から受け継がれた業とかそういうのは好きなのでよかった。
 TRPG世界であること忘れずモンスター討伐とかもやっていて、戦記とのバランスがとれて良い。

冴えない彼女の育てかた Girls Side3
 7巻で詩羽さんが一生飼い殺される覚悟を決めたってマジだったんですね。周囲いったいを焦土にするこれはすごい……。
 メインヒロインがここまで掘り下げられた以上、もうやることが後日談みたいな物しか思い浮かばないです。全然特別じゃないところが良かったというのは、ユニークユニットより汎用ユニットが好きなぼくも大変共感できる話でした(ゲームの話じゃねえよ)。
 詩羽さん派でくっつかないと辛いと思っていましたが、恋するメトロノームのお陰で安心して読めるし、ここまで活躍してくれると本望です。

物理的に孤立している俺の高校生活
 一見表紙から俺ガイルの系譜と見せかけて、恐らくこれは著者の不戦無敵の系譜なんだろうなと思っていろいろ書いていたら思いっきり作者がTwitterで告白していました。先に言われて原稿が真っ白です。
 常時発動型の異能とか冷静に考えると迷惑でしかないし、まともに生活できないよねという酷い現実を高校生活に落とし込んで書かれた作品です。パッシブドレイン能力とか社会生活に問題あるよね。本作はぼっちものなので、高校の学生生活とかばっかですが、能力が原因で友達ができないといいつつ、似たような理由で友達ができない人と普通に友達になれたあたり、能力があるから友達ができないんだ!というのは言い訳でしかないよなとか非情なことを思いました。

はねバド!(6)
 なんか緩いタイトルのバドミントン物なんですが、もう1巻の緩さとかはどこにもなくなってきた。圧倒的な才能を持つ主人公がボスキャラ化して、それを地道に努力してきた荒垣主将がぶっ倒す物語になっているわけですが、やっぱり最強クラスの主人公を倒す展開って熱いですよね。

少年と少女と正しさを巡る物語
 なんだかんだでサクラダリセットの再読をラノベと角川文庫版で両方をしていたわけですが、浅井ケイってやっぱり黒幕側の人間だよなあ。立派な悪党になれると思う。黒幕系主人公が好きな人は、ぜひ読んで欲しいですね。

りぶねす
 試し読みを読んでこれは妹物だと騙されてはいけません。これは幼馴染物だ!! いや、妹物ではあるんだけど、これ、ラブは幼馴染でコメ(ギャグ)は妹とやってる!!
 主人公と幼馴染が二人してツンデレやってるツンデレカップルと、千葉ちゃんに初々しく恋愛をしているまこっちんの2つの恋愛が特に見所なんですけど、ラブの気配がどこにもねーぞ妹。
 この幼馴染に萌えろ大賞2017候補作(他には恋は光等があります)

アンデッドガール・マーダーファルス1
 人造人間とか吸血鬼とか狼男とかいる世界で、そういう怪物のおかした事件を解決する探偵の物語なんだけど、え、これメフィスト賞じゃねえの。青崎先生メフィスト賞作家じゃねーのって一番驚きました。まあ、でも、青崎先生は喧嘩屋稼業とか好きだったので、うなずけます。
 人造人間の話がとても面白かった。長さ的にも丁度良くて大変良かったです。

あげくの果てのカノン
 こじらせまくって堂々巡りして頭の中が言葉でいっぱいになってぐわーとなっている状況をそのまんま吹き出しに書いていてわかるーと思った。これは漫画ですが小説家でも、十文字青先生が適度にそういうことって書きますよね。
 こじらせた主人公のストーカーっぷりはなかなか良いもので、一人で悶々としているのが続くのかと思ったらさっさと不倫していて、絶対そいつろくでもない男だよ!!って思うんだけど、まともな人間ってなんだろうなとも思いました。
 
失恋ショコラティエ 1~2
 既にドラマ化してるらしいので、知ってる人も多いでしょうがどんよりできる恋愛物。相手の悪いところまで含めて愛してしまっているというのは大変好みです。人間には欠点があるんだから受け入れられなくても、欠点があることは認めないとね! 
 なんで俺は6月にこんなにどんよりする恋愛物ばかり読んでんたんだろう。

リバース
 湊かなえぐらいのベストセラー作家は駅の売店で売っている! というわけで、遠出なのに暇をつぶすものがないという失敗をフォローして頂きました。
 過去を掘り下げていくに連れて、一番の友達が一番の友達じゃなかったかもしれないという知らない一面が出てくるというのはふふふって邪悪な微笑が浮かびました。そこからの衝撃の展開はなかなかよかったです。
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