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月刊オススメの本2017年11月号まとめ

風の万里 黎明の空 ―十二国記
 なんかどれを読んでも傑作が出てくるぞ!? すげー面白い。もう読み始めると止まらなくなってしまうので、徹夜覚悟しないと読めない本。心の持ちようで世界は変わるみたいな当たり前のことを言うのは簡単実践するのは難しいことについて、語っている本でもあるのだが、三人の主人公でいろんな立場から語っているが、まあ、それは良い。慶国の問題としては王が他世界の人間であるので、いきなり王になっても何をすればいいのかさっぱり分からない。世界の常識を共有していない。何代も女王が続き、悪政が続いていたので、またダメな女王みたいな扱いをされる陽子だったが、このまま政治がわからん臣下も信用できんという状況が長く続けば自分はダメになると行動を移せるのが王としては未熟でも人間的な成長を感じる。

公爵令嬢の嗜み 1-2
 赤子から1から生まれなおしてその世界での生き方を学んでいくという人生リセット物ばかり読んでいたので、大きくなってから自身は転生者であることを思い出す! という昔ながらの転生物あるあるが逆に新鮮に感じられた。昔の王道は異世界から現代へ転生していた気がするけど、最近のトレンドは逝ってくる異世界。
 転生前にも生きてきた人物と転生後記憶のない状態で生きてきた人物がハイブリットされているという主人公はちょっとよくわからないように思えましたが、FGOでイシュタルとか孔明を持っているお陰で「英霊憑依だ」と納得しました。基本的に会計事務所としての前世能力と異世界で貴族として生きて培ってきた貴族パワーで無双しているわけですが、バランスがとれていて良いですね。女性向けだからかヒーローの活躍する余地を残してあるというか、領主代行なので、ポジション的に無双しすぎないのが楽しい。
 なんていうか、基本努力で獲得したものを活かしているので、それぐらいの天佑があってもいいよなと思える。

たったひとつの冴えたやりかた
 たったひとつの冴えたやりかたってファーストコンタクト物だったのか。新しい知性体との遭遇してからすごいぐいぐいと引き込まれていった。かっこいいタイトルに相応しいスマートな会話文。面白い。
 3つある話のうち最後のファーストコンタクト物(異星人は一つではない)もべらぼうに面白い。人類は宇宙へ勢力圏を拡大し、宇宙は広大である。人類は宇宙に拡散している同胞の悪を制御できない。宇宙海賊などと先に出会ってしまった異星人と秩序側の人類が関係を修復して、協力関係を築く物語である。なんかこう物語もべらぼうに面白いのだが、悪と善の対比が面白いなあと思った。宇宙海賊といった悪の勢力は、異星人と会っても、そもそも意思疎通する気がなくその準備はしていない。そのため、後から善の宇宙飛行士が異星人と出会っても、互いに意思疎通ができない。しかし、善の側は異星人と出会ったときのため、こちらの意図を伝えられるように準備をしているので関係修復のため対話ができるようになった。センス・オブ・ワンダーに溢れているいい小説だった。

われはロボット 〔決定版〕 アシモフのロボット傑作集
 なにかこう、さすがに最近は見なくなったんだけど、AIの話をする際にロボット三原則が実際は問題があるとか言う話をAIブームのときに目にしてたんですが、ぶっちゃけ原作からして問題発生してるじゃねーか。なぜメディアは真面目な顔をしてロボット三原則は実際には使えない? みたいなこと言ってたんだ。原作読んでないのか(お前だってこれが初読だろ)。
 ロボット三原則を搭載したロボや搭載していないロボがなぜ問題を発生させてしまったのかを突き詰めている。面白い。

裸足で、空を掴むように 梅田阿比短編集
 物語にテーマはもしかしたら必要かもしれないが、別に作者はテーマを語りたくて描いているわけではないかもしれないと作者のコメントを読んで思いました。ただ、単に女装するショタを描きたいだけでもいい(銀の誓約)。結果的に良い話風になったりすれば。まあ、童話的なすごく良い話も収録されてるんですけど、なんかすごいな。冷静に考えてみて銀の誓約の女中の行動って全然素晴らしいものではないのに、なんか納得しかけてしまったぞ。

カードキャプターさくら 全12巻
 実はカードキャプターさくらについては放映当時見ておらず、大学生ぐらいになって大量のロリコンを生み出した脅威のアニメぐらいにしか思っていなかったんですが、友人がファンで熱烈にオススメされたこともあり、少しずつ読んでいました。
 心情の描写を絵や台詞で綺麗にきめやかに描いていて、いいですね。作中世界でもあんまり認められていない恋愛も多いのですが、物語の雰囲気は全体的に希望や未来に向かって開かれています。これはさくらちゃんの「絶対だいじょうぶだよ」の台詞を筆頭に明るい発言が多いというのもあるのですが、さくらちゃんがそもそも世間の目とか気にしないでいられる。つまり、自分の感情に外的要因を持ち込まない人間であり、まあ、ぶっちゃけ子供だからなんだけど、人類が本来持つ輝きなんじゃないでしょうか。ぼくたちはさくらちゃんみたいな原石を持っていたはずなんだよ!
 われわれは、どうして汚れてしまったのか。

黒い睡蓮
 黒いなんとかというタイトルでミステリと聞くとクトゥルフを思い出してしまいますが、全然関係ありません。なんか終盤になって一気に面白くなるタイプのミステリだよということで、読みやすいながらも、あんまり乗り気ではなかったのですが、最後まで読んで一気に評価が変わりました。ワザマエ、これは巧みの業です。いやあ、これは翻訳者も苦労しただろうなあと思います。かなりの力作にして傑作。

血界戦線 グッド・アズ・グッド・マン
 秋田禎信と血界戦線のコラボレーションが非常に素晴らしいものであることは前巻で証明されておりましたが、今巻は血界戦線でのマッドサイエンティストで趣味で世界を破滅させようとするよく分からない奴である堕落王フェムトです。秋田禎信先生は昔からいるせいかラノベ界でも、ギャルゲー文脈とは異なる感じで独特な変なキャラを作る人でして、なんか呼吸が変というか、わりと脈絡がない感じで変です。
 グッド・アズ・グッド・マンでは、フェムトが普通になろうと言い出して、量産型フェムトマンみたいなのがたくさん出てくる話です。我々はフェムトについてあんまりよく知っているわけではないので、普通になりたいとか言い出すかというと、わからないのですが、割と思いつきで行動しているぽいことは事実なのでなんか言って行動してもおかしくないよなあという感じです。
 個人的に良いよなあと思うのはレオが普通であることは原作でもアニメでも何度も言われていることですが、普通ってことは普通に大事なところでも失敗する。ミスるし、誤魔化すところがいいですね。

ワキヤくんの主役理論
 お隣さんとの壁が物理的にぶっ壊れて同棲状態になった! 女の子との同棲生活! しかし、そこから時間をすっ飛ばして、完全に愛し合ってる感じ。まるで長年連れ添った夫婦感ある生活をしているワキヤくんですが、もうお前ら結婚しちゃえよ! という感じで作者からこのカップリングに萌えろ! という強い意思を感じます。しかし、サブヒロインのさなかちゃんのちょっとした仕草が可愛いです。彼女の行動はすべて、気になっている男子とお近づきになりたいという感じで、共通の友人に手伝ってもらったぽく二人きりになったり、バイト先に行ってみたりと、行動はそれなりにダイナミックですが、実際にワキヤくんと出会ってみるとぐいぐいとはいけない感じで、滲み出るあなたが気になってますアピールが可愛いですね。どうみてもサブヒロインなのがつらい。
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