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アンドレイ・サプコフスキ 『ウィッチャー 1 エルフの血脈』 読了

 ポーランド生まれのファンタジィ小説。スラヴ神話をベースにしているそうですが、スラヴ神話を知らないのので、どのあたりがスラヴっぽいのかはわからなかった。

 かつて魔法剣士ゲラルトというシリーズ(といっても1巻しか出なかった)でしたが、ウィッチャーは作中では魔法剣士と同義なので、同じですね。旧版との違いは訳語が変更されているのと解説が基本読書の冬木糸一さんに変更されているぐらいですね。

 まあ、旧版と合わせて2回読んだんですが、非常に面白いファンタジィ小説でした。エピソードの区切りごとに結構話が飛んで連作短編みたいな感じです。シントラの滅亡。シントラの王女であるシリを狙う連中から、ゲラルトは戦いある時は囮となる。

 魅力的なところは多いんですが、良いなと思うのは情報の伝達の格差ですね。シントラの子獅子と呼ばれるシリは、その存在が一部の人間にしか知られていない。これは生死とそもそもシントラのキャランセ女王に娘はいることは知られているけど、孫がいることがあまり知られていない。他国の特に商人やら農民といった層はそもそも情報を得る手段がない。吟遊詩人とかの旅の人から噂を知るしかない。今は生死がゲラルトによって隠されているので、特に知る手段がない。
 このウィッチャーの世界で魔法使いたちはワープもできるので、魔法使いたちはかなり情報伝達が早い。知らない人を探すのは難しいようだけど、知り合いなら魔法で探すこともできるらしい。もちろん、対策もある。そのため、王達の秘密会議の内容をそっと知って遠くにいる上位の人間に伝えることもできる。
 こういう情報格差に時代を感じる。知識を得る手段がある層は正しい知識をない層は憶測や噂しか知らない。大半の人間は知識を得る手段がないので、シリが潜んでいても気づかないどころか、疑念すら抱かない。

 あと特に面白かったのはケィア・モルヘンでのシリの生活。ケィア・モルヘンの魔法剣士達はシリを魔法剣士として育てようとするんだけど、そもそも女の子を育てたことはない。魔法剣士は特殊な薬などで変異したミュータントなのだが、そもそも女の子を正しくミュータントする手段を知らない。というか、変異に関する具体的な方法は失伝している。それでも、彼らは人を育てる方法を他に知らない。そのあたり結構無茶苦茶やってるので、魔法使いのトリスがやってきた際に激怒されるんだけど、剣技の育て方とか面白い。

 これから面白くなりそうなのはニルフガード関連。ニルフガード帝国は侵略者で、シントラを滅ぼして、今は四王国と休戦協定を結んでいるが虎視眈々と他の王国を狙っている・ニルフガード皇帝は暗躍しているし、それに対抗するために王達は暗躍する……特にシントラに多大な影響力のあるシリはめちゃくちゃ狙われているので、今後どうなるか目が離せない。
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テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

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