FC2ブログ

マリア・V スナイダー 『毒見師イレーナ』 読了

 主人公のイレーナは殺人の罪で死刑執行される直前、最高司令官の毒見役として生きるかこのまま絞首刑を受けるか選ばされる。イレーナは毒見役として生きることを選び、度々命を狙われながら、強かに生きていく。

 面白いファンタジー小説として紹介されたので読みました。どちらかと言うとサスペンスとかスパイ小説とかの方が主のジャンルなので、そういうのが好きな人に読ませたいですね。魔術とう超常現象自体はは出てくるんですが。
 この巻だと大半を同じ場所で過ごしているので、こじんまりとしているし。国外の情報とか必要分だけしか情報は出てこないので世界観の広がりがあまり感じられない。言葉とかの使い方も、かなり現代というか近代的ですね。
 ググって翻訳者のトークが出てきたんですが、ファンタジーの皮を被った現代小説と出てきました。まあ、かなりそんな感じ。読む人がファンタジーになにを求めるかによるので、それはいいんですが。
 元死刑囚で現毒見役のイレーナに対して、現政権の諜報を担っているヴァレクは毒見役としての範囲を超えて、手塩をかけて教育して、まあ、たまにその忠誠心を試していくので、油断ができない。毒と解毒剤を定期的に与えることで脱走を阻止しようとしていて、その毒に関する詳しい情報をイレーナは手に入れようとするし、ヴァレクはそれを防ぐ。イレーナは軍人から護身術を学んだりと自分の武器を鍛えるけど、基本的に行動が制限されているし、情報を入手するすべがない。油断のならない関係性がいいですね。それだけに終盤の展開が残念でした。

 ちょっと気になったのは元死刑囚で毒見役のイレーナがジェンコという軍人から、鍵開けの訓練を受けているんですが、いくら仲良くなったからといって、そんな技術を教えるか? 門の鍵はそれでは開けられないとしても、悪事用の技術なんだが。ヴァレクもその技術を使って解毒剤を探しに来たイレーナを許すんだけど、これはもしかして、ヴァレクさんイレーナを女スパイとして教育する気満々なのかなー。でも、最高司令官の毒見役なので最高司令官の行く場所に行く。そこで諜報活動をさせるという方針で育ててるのだろうか。そんな予想をしながら読んでいたんですが、終盤からちょっと意表を突かれました。
 いや、ロマンス部分がなければというか、三冊かけてロマンスを育んでいくならいいんだけど、割とあっさりと恋仲になってしまって、え、嘘でしょ? 有能な人材を贔屓しているんじゃなくて途中から完全に恋愛感情だったんです? ちょっと残念だった。

 ヴァレクとの油断のできない関係やイレーナが殺される理由が多くて当初はハラハラしましたが、理由はさっぱり分からないが、イレーナにめちゃめちゃ親身になってくれる軍人とかちょっと展開のために必要な能力を得るのに友情などの掘り下げが足りないんじゃないかと思うところが多かった。いやだって、イレーナは殺人の罪で元死刑囚。終盤打ち明けられたヴァレクを除けば誰もなぜイレーナが殺したのかを知らないんだぞ……。
 序盤のヴァレクとの関係がとても良かったのになー。それだけに惜しい作品でした。
スポンサーサイト



テーマ : 読んだ本。
ジャンル : 本・雑誌

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

Galle(がれ)

Author:Galle(がれ)
↓長いので記事にしました。
当サイトの基本情報
本好きへの100の質問
リンク集

本棚
カテゴリー
検索
批評サイト
お薦めサイト
物書きな方々
ラノベ感想
応援しています!
カウンター
応援バナー