羊太郎 『ロクでなし魔術講師と禁忌教典シリーズ(6巻まで)』  読了

 間違えてコミックを買ってしまった時は大変辛かったですが、書い直してもちゃんと元は取れたと思うくらいは面白くて良かった。大当たり。王道は面白いんだというのを地で行く作品。だいたい予想がつくのに面白い。

主人公グレンについて
 主人公グレンはロクでなし扱いされていますが、どちらかというとガキっぽいという表現が正しいと思う。なんかこいつの働きたくないーって学生時代の学校生きたくねーゲームやってたいとか宿題やりたくねーというのを思い出す。毎月ソシャゲガチャを数万引いて、生活費に響かせるタイプっすね。好きな女の子に素直になれないツンデレっぷりを発揮する(5巻回想)とかお前は子供かと言いたい。いろいろあって送り迎えなどあからさまにルミアを贔屓しているが、ルミアには人徳があるため女子生徒に粉かけるクソ野郎として評価されている魔術講師。

ヒロインについて
 講師としてやる気を出す過程とか、戦闘が始まる原因とかルミアちゃんがヒロイン力高い。僕は清楚系ヒロインが好きなのでルミア派です。出番も活躍も控えめなんですけど、安定したメインヒロイン力を持っていていい。こういう控えめな子がもっとメインヒロインになるべきなんですよ!と熱く主張したい。後衛・回復支援系。

 出番で言えば圧倒的に多いにも関わらずかませ感溢れるツンデレの白猫。名前が覚えられない。一巻ではバトルヒロインを担当したくせに後からやってきたヒロインにバトルヒロインの座を奪われるというかませ力溢れるヒロイン。登場回数や主人公との接点やら人命救助のためにちゅーしたりとか、フラグを立てているようで、主人公のグレン側には立っている気配がない。一巻の表紙担当のヒロインにしてこのかませっぽさは逆にすごい。そのまま、かませで終わってくれ。5巻にてバトルヒロインの座に返り咲いたので今後の活躍が期待される。中衛・魔法攻撃型。

 2巻で登場のリィエルはかつての同僚として味方に、そして3巻でバトルヒロインへの昇格という順調に白猫の立場を奪っていく快挙。3,4巻ではメインヒロインを張ったが、上下巻構成なのに地味にアルベルトが活躍してしかもツンデレっぷりを発揮するせいか、メインヒロインというには少々弱い。学校での扱いはマスコット。マスコット過ぎてヒロインとして弱い。錬金術で超高速で武器を練成して物理で殴る前衛・攻撃型。

学園物として
 魔術講師としてその魔法がどういう風に出来ているのか説明したりする。そうでなければ固有魔法を作成できないので当然なんだけど、講師シーンはその世界について読者が一緒に学べるので楽しくないと辛いし、ちゃんと物語に繋がるという点でいいですね。
 グレンは生徒のことをちゃんと見てるので、誰がどんな魔法系統が得意でどのように使えばいいのか的確なアドバイスができる。学園パートは概ね調子に乗ったグレンが勝負吹っかけたり吹っかけられたりして授業なり学園祭なりでバトルだ! と生徒達が巻き込まれるという傍迷惑な内容になってます。クラスメイトは一芸特化が多いのとグレンは短期的な訓練が無駄に上手いので、優等生達と戦っても勝負になるという王道。分かりやすい面白さがある。

 何度でも言うが学校の制服がハレンチすぎる。

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汀こるもの 『レベル96少女 不穏な夏休み』 読了

 汀こるもの先生の最新作! 流行ネタ用語をふんだんに使用していますが、作者は常に出版前にこの言葉消えたりしないかなと不安だそうです。この物語を楽しめるのはリアルタイムに俺ら生きている俺らだけ! と思うとなんとなく今を生きていることに優越感を抱けたりしませんかね。しないですよね。

 今回は善意の人助けによる被害が目立ちましたね。実はデビュー作の頃からそうなんですが、こるものワールドでは善意の人助けが原因でひどい目に遭うキャラが多いです。交番勤務の警察官が老人に親切にしたら死神の付き人になって、孤島サバイバルしているTHANATOSシリーズ(ステマです。買ってください)。Fateのエミヤくんみたいに人助けが趣味ですみたいな奴がいたらたぶん死ぬ。

 話が逸れましたが、れべきゅーシリーズはメインが中学1年生(女子)なので、人助けで大ダメージを負うのは流石に可哀想ですね。困っている男の子に声をかけたら実は相手が妖怪で無理心中させられそうになる芹ちゃんとか可哀想にも程がある。
 いつもいつも友人のいっちゃんに助けられては申し訳ないし、迂闊な事をした(困っている人に声をかけただけです)のが原因なので怒られるのが嫌という理由で溝越さんと解決を目指すというものです。前巻で宝具があることが判明した雀のほうが頼りになるのに、雀さんを尊重して溝越さんを相方にする芹ちゃんは優しい子です。溝越さんがたいして役に立たないのは分かりきっていたことなのでネタバレしますが、この話は芹ちゃんの友情パワーが炸裂します。ちょっと感動しました。いっちゃんはもっと芹ちゃんを大切にしたほうがいい。

 もう一つはいっちゃんの毒祖父が現れて霊感商法による人助けに借り出されるという話なんですが、うんまあ、これまでろくでもない親であったことは自明だったんですが、毒祖父。本当に毒ですね。もともといっちゃんは霊能力で怪物退治とかを生業にしてノブレス・オブリージュみたいな感性を持っているので人助けしたい。さすがに他の霊能力者の仕事を奪うような真似はしたくないので、仕事を選びますが、お爺ちゃんの手伝いという言い訳を得て借り出します。
 霊能力でろくなことがなかったいっちゃんの父・大雅は当然嫌がります。というか、娘を霊感とかそういうのと関係ない真人間に適応させようとしていたところに霊能力関係者が嫌になった最大の原因である自分の親父が出てきたんだから、まあ、キレるよね。さすがに家出するのはどうなのかなあと思ったけど、いっちゃんの性格を把握して気軽にこれるところにプチ家出していっちゃんに祖父が嫌になったらいつでも遊びに来てね! とちゃんと連絡先も教えてるし、身の回りの世話する人間と妖怪が祖父含めてあれだけいたら育児放棄とは言い切れない! なんか最後は良い話風ではなく本当に良い話で締めたけど、ちょっともやもやする。
 いっちゃんが意外と日常生活に適応していたこととか、毒祖父に搾取されている現状の悲惨さとか芹ちゃんの友情とか見所は多いんだけど、祖父が無事旅立ってしまったことがもやもやする! HENTAIを容赦なく物理で殴る雀ですら何もしないなんて! まあ、さっさと銃で解決しようとしたのを釘を刺されたのかもしれない。
 ぼっちでも良いからご飯はちゃんと食べよう!

 感想というかただの紹介文になってしまった。まあいっか。

灰と幻想のグリムガル level.7 彼方の虹 読了

 おお、これは面白い。新天地にて言葉が通じない原住民と試行錯誤していくのって最高じゃん。正直なところ、グリムガルは異世界召還ファンタジーで職業:冒険者(正確には義勇兵)をやる普通のJRPG的世界観だったし、今までゴブリンとかオークを情け容赦なく殺していたのに、いきなり未知の知的生命体とのコンタクトをやられてびっくりした。

 でも、新天地はグリムガルとはまた別の異世界でここには誰が敵で味方なのか既知の情報が多いグリムガルではない。純粋に異世界に行って誰も頼れる存在がなく何が食えるのかどこが安心なのかまったく分からないまま、パーティーだけで生きていくのは無理があるよな。ハルヒロ達は弱さを自覚してるから常に頼れる存在を欲しがっている。だから、まず最低限の頼れるもの(衣食住)を見つけるために、人間の姿形をしていない相手でもコンタクトを取ろうとする。失敗したら死ぬけど成功しなきゃ死ぬしかないので、仕方ねえよなあ。

 新しい土地で衣食住を確保してからはいつも通り、義勇兵生活。まずこの世界での硬貨を見つけようと沼を漁ったり、危険生物がいるとわかったら場所を変えたりと概ね狩場を探したりといつも通り。まさかこの巻だけでグリムガルへの帰還する道まで発見できるとは思わなかったけど、だいたいそんな感じです。

 いやあ、しかし今回はハルヒロ大変でしたね。途中まで頼れるものが何もないから、リーダーとしての重圧がすごいこと。決めなきゃいけないことだらけで、情報はほとんどない。盗賊なので探索における偵察という情報収集は全部ハルヒロが請け負っている。偵察で一人になるってことは下手すると死ぬし、最悪パーティーの生存率に関わる。
 改めてハルヒロの置かれた状況を見てみるとハルヒロの器に対して重圧が大きすぎるので、ハルヒロに自分よりも仲間を大切にしすぎることはよくないと率直に言って、皆だってハルヒロが大切なんだと伝えたシホルはグッジョブだった。クザクは腹割って話したけど、積極性が足りなかったな。

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Dies irae ~Amantes amentes~ (1) 読了

 原作ファンとして本当なら原作知らなくても大丈夫ですよとか無理じゃねとか判断したいところだが、2007年の体験版公開当時から触れている身としてはなんも言えない。たぶん初めての人は呼称覚えるのが大変なんじゃないかなと思うくらい。

 というわけで原作ファン向けの感想として、いやこれ素晴らしいと思いますよ。コミックだからイラストになっていない部分が当然あるわけで、ルサルカの拷問器具の車輪で失踪とかどうなっているのかわかる。あと個人的にっていうかみんな体験版部分で好きなところだと思うんだけど、ベイと戦う際に背後の木を折らせて破片を足でぶち込むとか再現されていて読んでて楽しい。
 
 物語の圧縮も上手い。というか、CS版出たとき最プレイしてなげえと思った体験版パートをここまで圧縮するとは思わなかった。お陰でただでさえ少なかった学園要素が消えかかっているけど、もともと学園要素なんて少ないので問題ない。この調子なら期待できるんじゃないかなあと思うけど、まだコミック一巻で情報量が薄いのでなんとも言えない。台詞の圧縮は賛否ありそうだけど、コミックに入れるには基本長いから仕方ないよね。だいたい意味同じだし。 

 あとヒロインが可愛い。テレジア先輩の何気ない仕草が可愛い。代わりに電波力が抑え目だけど、可愛い。

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丸戸史明 『冴えない彼女の育てかた 9』 読了

 主人公が本気を出すとみんな頭を抱えたくなる結果に落ち着くのはどうしてですかね……。

 今回は読むのがいろいんな意味で苦しい物語だった。いや、なんていうか痛い。超痛い。すごく読ませる力を感じるけど、誰にあてたか分かる明確なラブレターの端々を読ませられるとすごくつらい。詩歌先輩といい、どうして君らはそういうことをするの!
 ネタとして美味しいとは思うけどお前らもうちょっと二次元と三次元の区別をつけろよ! とか思わずにはいられない。しかし、冷静に考えると始まりからして加藤を胸がきゅんきゅんするメインヒロインにする話だもんな……いまさら過ぎるか。

 今回の見所は主人公がエリリをどう思っているのか。それが分かることですね。7巻のおかげで俺は詩羽先輩を拗らせましたが、今巻ではエリリを拗らせる人が出てきそうですね。完結したらそろそろ丸戸史明被害者の会を結成しても許されるんじゃないかな。そういうファンサイトを作ってもいいんじゃないかな。

 すごく面白かったです。自覚がありつつも目をそらしているハーレムラノベの主人公って、やっぱり人としてどうかと思います。

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